浅間温泉(あさまおんせん)は、長野県松本市北東部にある温泉。同市の奥座敷といわれる。

泉質
- アルカリ性単純温泉 42〜52.3度
- 源泉は第1号源泉、第2号源泉、第4号源泉、東北源泉、山田源泉、大下源泉、鷹の湯源泉の7カ所が使用されている。この他に旧松の湯源泉が存在したが昭和29年頃に枯渇した。また、温泉街中心から南東約300メートルを隔てた山林内に未利用の源泉が自噴している。
- おおむね無色無臭であるが、第1号源泉のみ微かな硫黄臭を感じる。

温泉街
温泉会館を中心に、約30軒の旅館と2軒の日帰り専用入浴施設(枇杷の湯、市営浅間温泉会館ホットプラザ浅間)、3軒の共同浴場(仙気の湯、港の湯、倉下の湯)がある。この他、各町会などで管理する共同浴場が多数あるが一般には開放されていない。また北仙気の湯は近年まで一般開放されていたが現在では一般開放は行っていない。
老舗旅館を泊食分離式に改装するなど温泉街の活性化をめざす新会社「WAKUWAKU浅間温泉」が2020年に設立された。

歴史
開湯は約1000年前。地元の豪族であった犬飼氏が天慶2年(939年)に発見したことに由来し、「犬飼の御湯」とも称される。
江戸時代の慶長年間に松本藩主石川氏が別邸を置き、それより松本藩の保養を兼ねた下屋敷として使用された。温泉は、御殿湯(御殿の湯)とも称され、湯守により管理された。現在の日帰り入浴施設「枇杷の湯」がそれである。また、藩士の保養を目的とした御組の湯、柳の湯、御用馬の湯なども置かれた。元禄年間の『善光寺街道名所絵図』には、内湯や外湯を利用して旅の疲れを慰める旅人の様子が描かれており、善光寺街道に接した宿場として栄えた。
明治時代に災害により御殿湯等が被害を受け、近隣の山には植林等の災害対策が施された。 宮家(閑院宮や久邇宮)や文人(若山牧水や与謝野晶子、徳田秋声)らが訪れたことがある。
