芦原温泉(あわらおんせん)は、福井県あわら市(旧越前国)にある温泉。坂井郡芦原町と同金津町が合併してあわら市が発足してからは「あわら温泉」と表記されることもある。福井県屈指の温泉街として「関西の奥座敷」と呼ばれ、昔から多くの文人墨客に愛されてきた。温泉療法医がすすめる名湯百選にも選ばれている。

概要
芦原温泉は1883年(明治16年)、農地で利用する灌漑用の井戸から温泉が湧き出たのが始まりとされる。後発であったが、大正から昭和初期の旅行・観光ブームにのり発展した。1927年(昭和2年)の日本百景選出にあたって11か所の温泉が選ばれたが、芦原温泉もその一つに選ばれている。官営三国線(北陸線支線)や三国芦原電鉄(後の京福電鉄三芦線)の芦原駅(現在のあわら湯のまち駅)開業の影響も大きく、1932年(昭和7年)頃には加越温泉郷の中ではトップの地位についている。なお、開湯した時期は当時の記述から1884年(明治17年)3月とする文献も残されている。
戦時下で一時閉塞したが、戦後まもなく復活。しかし、1956年(昭和31年)に大火に見舞われ300棟以上が焼失し、温泉街そのものが無くなったが、新たな都市計画のもと碁盤目上に区画された温泉街が整備され、復興への道を歩むこととなった。
芦原という町はもともと、田園地帯で風情が乏しかったため、近代的な建築に庭園の整備や露天風呂などを設え、風情のあるものに再整備された。その後は、落ち着いたたたずまいが人気を呼び、また永平寺の精進落としの湯、関西地方の奥座敷として発展を遂げ、現在に到る。2018年(平成30年)の芦原温泉の入込客数は、88万5千人で福井県外は61万1千人となっている(推計)。
2004年(平成16年)に温泉偽装問題が発生した際、公正取引委員会は当温泉で旅館業を営む4事業者に対し、同年8月に景品表示法の優良誤認(同法第4条)に触れる恐れがあることを口頭注意した。この件をきっかけに、あわら市では独自の温泉表示に関する基準が設けられ、それを満たした施設には「芦原温泉表示マーク」を交付している(※2004年12月から交付開始、2009年12月1日に取扱要綱を改定)。

泉質
温泉街
温泉街
周囲を坂井平野に広がる水田に囲まれている。歓楽温泉としても発展していたが、温泉街にその要素は少なく、落ち着いた雰囲気のある温泉街を作っている。あわら湯のまち駅で貸し出しされるレンタサイクルで街中を散策することができる。
2006年から、観光協会から湯めぐり手形が1,500円で発行され、温泉街の19の宿の湯をどこでも楽しめるようになった(手形には500円のシールが3枚付き、1枚で1か所入湯可能)。なお、前述の手形の販売は2018年12月20日で終了している。一方、2007年12月にはあわら湯のまち駅の駅前に「あわら温泉屋台村 湯けむり横丁」がオープンしている。
周辺施設
国指定の天然記念物・名勝である東尋坊へも近く、芦原温泉駅からはバスで約40分、タクシーで約15分の距離にある。その他、道元禅師が建立した曹洞宗本山の永平寺、世界最大のウォータースライダーを擁する芝政ワールド、海水浴場、スキー場、ゴルフ場等へのアクセスも便利であり、石川県の加賀温泉郷と並ぶ北陸観光の拠点となっている。

アクセス
鉄道
飛行機
- 小松空港からタクシーで45分。
自動車

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