養老渓谷温泉(ようろうけいこくおんせん)は、千葉県市原市と夷隅郡大多喜町にかかる温泉郷。旅館、民宿が養老川沿いに十数軒点在する。付近は千葉県立養老渓谷奥清澄自然公園に指定され、房総の魅力500選に選定されている。

名称
「養老渓谷温泉(ようろうけいこくおんせん)」の名称は養老渓谷の名を冠し、養老川とともに親しまれてきた名称であるが、観光情報やメディアなどの紹介によっては単に「養老温泉(ようろうおんせん)」と呼ばれる場合もある。しかし 岐阜県養老郡養老町の「養老温泉」や北海道標津郡中標津町の「養老牛温泉」との混同を避けるため養老渓谷観光協会や養老渓谷旅館組合などでも使用されている「養老渓谷温泉」が正式名称である。

泉質
夷隅郡大多喜町葛藤地区のほか、各旅館、足湯施設では自家源泉を所有している。
塩化物泉(2000年(平成12年)7月31日温泉分析)と炭酸水素塩泉(1971年(昭和46年)1月7日温泉分析)の泉質がある。
源泉温度は20度前後と低めであり、とろみのある焦げ茶色が特徴の黒湯が一般的である。


温泉街
房総丘陵の山懐に抱かれた奥房総とも呼ばれる房総半島のほぼ中央、市原市と夷隅郡大多喜町の境付近の養老川沿いに位置し、十数軒の温泉旅館や足湯施設などがある。
小湊鉄道の養老渓谷駅には駅舎の中に足湯施設があり、養老川沿い散策の途中にも各所で源泉に触れることもできる。
房総半島の中央付近に位置するため、海、山、川、平野のすべての食材が簡単に入手でき、山菜、タケノコ、カツオ、アユ、ウナギ、キノコ、猪豚鍋など四季折々の地産地消料理が各旅館で提供される。
また、一軒だけ狭いトンネルを通らなければ行けない温泉旅館「隠れ湯の宿 川の家」という川べりの宿があり、漫画家のつげ義春が宿泊したことで知られる。このときの様子は随筆『貧困旅行記』(1991年9月、晶文社)に詳しく書かれている。
付近は千葉県立養老渓谷奥清澄自然公園に指定されており、養老八景の一つ、房総随一とも言われる落差30m、長さ100mの粟又の滝(養老の滝)や洞門が崩れて絶壁となった弘文洞跡(養老(年金)鉱泉)など、養老川の渓谷美を楽しめる景勝地・養老渓谷、梅ヶ瀬渓谷があり、特に紅葉の季節には行楽客で賑わう。「養老渓谷と温泉郷」として房総の魅力500選にも選定されている。
近年では東京都心から近い行楽地・避暑地として、房総丘陵のハイキング、サイクリング、ツーリング、車でのドライブ途中の日帰り温泉としても利用されている。また、周囲にはゴルフ場が多いため、ゴルフ場併設の温泉施設も多い。

交通
鉄道
バス
- 小湊バス
- 養01:養老渓谷駅 – 温泉郷入口 – 養老館前 – 天竜荘前 – 粟又ノ滝 – 粟又・ごりやくの湯
自動車
- 高速道路
- 一般道路
- 千葉県道81号市原天津小湊線(清澄養老ライン)沿い
- 駐車場
- 大多喜町営の有料駐車場「粟又の滝駐車場」ほか多数点在している
