片山津温泉(かたやまづおんせん)は、石川県加賀市(旧国加賀国)にある温泉。
温泉街は柴山潟の一部を埋め立てられて作られている。
加賀温泉郷のひとつで、北陸を代表する歓楽温泉として知られた。
また、片山津温泉の一帯は、加賀市の町名にもなっている。

泉質
ナトリウム・カルシウム塩化物泉。和倉温泉同様、無色透明で塩分が非常に高い。

温泉街
- 旅館数14軒ほどのこぢんまりした温泉街が、柴山潟南岸に見える。
- 1980年代までは北陸有数の歓楽温泉として発展し、大小30軒以上の観光旅館が林立していたが、1990年代以降の宿泊客(特に団体宿泊客)の減少もあって次々に廃業。かつては北陸随一の規模を誇った「北陸グランドホテル」(平成9年廃業)や「第一観光ホテル」(平成7年廃業)などもバブル崩壊後の客足減少と経営不振により倒産していった。
- 2006年に加賀市が廃屋が問題となった廃業旅館の解体助成制度を整備すると撤去が進み、代わりに老人ホームなどの福祉施設や新たに総湯が建てられるなど町並みに変化が起こっている。
- 近年[いつ?]になり廃業等の宿泊施設を買収して再生させる「格安観光旅館」の進出が著しく、湯快リゾートが4件、大江戸温泉物語が3件の物件を管理している。2017年7月現在、旅館は大型ホテルの別館含め11軒ほどとなっている。

歴史
発見は承応2年(1653年)だが、本格的に開発されたのは明治になってからである。
北陸最大級の山代温泉と同じく加賀温泉駅を最寄り駅とし、京阪神や中京からの団体旅行客を主な客層として、山代、そして山中温泉と共に歓楽温泉として発展を遂げていった。
全盛期の1980年(その年には北陸自動車道も開通した)には151万人の温泉客が訪れたが、バブル崩壊後による消費低迷や円高による海外旅行の増加、団体客から個人客へのニーズ変化とその対応の遅れなどで低迷し、2007年には32万人にまで落ち込んだ。今日では柴山潟の花火打ち上げやサイクリングロード整備によるレジャー開発、また「中谷宇吉郎雪の科学館」の建設、総湯の新設などで巻き返しを図っている。

アクセス
鉄道
- JR北陸本線加賀温泉駅からタクシーで約10分。
- 最も近い駅は動橋駅(普通列車のみ停車)だが、1970年に動橋駅と大聖寺駅の間の作見駅(現:加賀温泉駅)が特急停車駅となって以降、加賀温泉駅が事実上の最寄駅となっている。
- かつては1965年に廃止された北陸鉄道片山津線が動橋駅から通じていた。
バス
- 加賀温泉駅から、まちづくり加賀が運行する観光周遊バス「キャンバス」小松空港線で「片山津温泉湯 街湯」、「片山津温泉湯の元公園」または「片山津温泉西口」下車。11-14分。同バス海まわり線も運行しているが、周辺の観光地を片方向循環して運行するため行きは約60分を要する。
- 一般の路線バスは、2010年秋頃より旅館組合の要望で、加賀温泉バスが加賀温泉駅との間を約10分で結ぶ「温泉片山津線」を試験的に運行している。
車
- 北陸自動車道片山津ICから石川県道20号小松加賀線、石川県道39号山中伊切線経由で約5分。

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