山中温泉(やまなかおんせん)は、石川県加賀市の旧山中町にある温泉。ならびに加賀市の町名の一つ。古くから歴史のある温泉の地であり、加賀温泉郷の一角を占める。
概要
山中温泉街は山に囲まれた街であり、また至近の自然豊かな山、谷、川など山間部の田舎の情緒も味わえる。温泉街は大聖寺川の渓谷沿いなどに旅館が立ち並ぶ。
文字通り「山の中」にあり、一帯は鶴仙渓という景勝地である。街のシンボルであるこおろぎ橋や草月流家元がデザインしたユニークな形のあやとりはしがあり、日帰り入浴施設もある。山中漆器の産地でもあり、土産物屋が多い。民謡『山中節』は、江戸時代の元禄期から歌い継がれているとされる[1]。
名鉄ホテルグループが経営していたが撤退、廃業した山中グランドホテルを2005年に湯快リゾートが買収。これを契機に廃業等の宿泊施設を買収して再生させる格安ホテルチェーンの進出が著しい。
泉質
- 硫酸塩泉(旧泉質名 : 含石膏芒硝泉、新泉質名 : カルシウム・ナトリウム – 硫酸塩泉)
奥の細道の松尾芭蕉の句にも詠まれる、ほのかな匂いが特徴。芭蕉は「扶桑三の名湯」の一つと頌して(褒めて)いる。
- 2012年5月、金沢大学大学院特任教授(当時)の廣瀬幸雄は総湯「第2菊の湯」の温水1リットル当たり約400ppb、総湯「菊の湯」源泉では604ppbの溶存水素濃度の測定結果を明らかにした。水素は活性酸素を取り除くと期待され、広瀬によれば他の温泉では100ppb未満が多いとされる。この測定結果は地元メディアで大々的に取り上げられ話題となったが、日本温泉総合研究所によって「溶存水素およびその測定に対する認識不足に基づく誤認」として、測定結果は否定されている。
アクセス
- 公共交通機関
JR加賀温泉駅から北鉄加賀バスの路線バスまたはまちづくり加賀の観光周遊バス「キャンバス」で30分。また加賀市観光交流機構が企画し京福バスが運行する永平寺直通バス「永平寺おでかけ号」(予約優先)もある。かつては北陸鉄道加南線が粟津駅・動橋駅・大聖寺駅から通じていたが、1971年(昭和46年)に廃止された。
- 自動車
北陸自動車道加賀ICから国道8号・国道364号経由で約30分、福井北IC、丸岡ICから国道364号経由で約40分。国道364号、福井県坂井市丸岡町山竹田から、県境の丸岡・山中温泉トンネル(2004年(平成16年)4月開通)を抜け山中温泉大内町、我谷ダム、栢野町を経て温泉街に至る。金津ICからも福井県道10号丸岡川西線を経由して向かうこともできるが、狭小区間が長く、またカーブの多いことから多少時間がかかる。小松空港、那谷寺、粟津温泉方面からは四十九院トンネルを経由するルートが最短だが、2000年(平成12年)9月に新トンネルが開通したことで短縮された。